2012/09/27

トーキョー・ワッショイ!に寄せて


自分のタイムラインに「~寄せて」もないもんですが(^_^;)

今年5月のいろんな企画のレポートを自分のブログに書いていましたが、トーキョー・ワッショイ第1弾のまえで中断したままでした。

第2弾決定にあたり、あらためて思いの丈を(笑)。たぶん長文ご容赦をm(_ _)m

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8歳で和太鼓を始めて、四半世紀以上というか三半世紀?になりますが、「秩父屋台囃子をやってきてよかった」「このときのために太鼓をやってたんだ」と思えたのが、5月のトーキョー・ワッショイ第1弾でした。

企画の詳細はフェイスブックのページを見ていただければと思いますが、ルーツにこだわった音楽イベント(祭り)をやろうということでアラゲホンジ大石始さんが立ち上げたのがトーキョー・ワッショイ!でした。

光栄なことに第1弾では、〝ライブハウスで踊れる日本のルーツミュージック〟として秩父屋台囃子の演奏依頼を響にいただき、会場のみなさんと一緒に盛り上がることができました。このお囃子で盛り上がれたということが、僕にとっては無上の喜びでありました。



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〝裏方が好き〟な自分の性格も多分に影響しているのだと思いますが、創作曲、能などの古典、伝統的なお囃子、洋楽打楽器曲など、いろんな太鼓曲をやってきて、結局イチバン好きだと自覚しているのは、お囃子音楽です。

秩父・山田地区のみなさんのご厚意で、学生時代から「山田の春祭」に参加させていただいていますが、お祭りの中でのお囃子は、なくてはならないものであると同時にあくまで「脇役」なのだということが、何年かすると身に染みてわかってきました。(わずか3日4日程度ではありますが、お囃子をはたくだけでなく、山車の組み立てやらぼんぼりの作成、会場設営などなど、お祭りの準備・片付けをいっしょにやらせてもらうなかで、つまり太鼓以外もいろいろやるなかで見えてきたことです)。

太鼓をやってる人間は、基本的に自分を見てもらう、自分たちが主役、というシチュエーションで演奏することがほとんどで、発想自体がそうなっています。

しかし祭という生活の場での音楽はそうではありませんでした。

主役は、神様である山車(の中のご神体)であったり、(山田では)若行事と呼ばれる、白装束の氏子さんたち(おそらく依り代なのでしょう)であったりします。また、お囃子の実際的機能としては、何トンもある山車を曳く曳き子さんたちを鼓舞するための音楽と言えます(曳き山囃子の場合)。

乱暴に言うと、つまり「俺を見てくれ」じゃなくて「おまえら踊れ」(笑)という音楽だと思うのです。主役じゃないけどいなきゃはじまらない、太鼓の前に座ったときのその責任感(=プレッシャー)たるや、〝主役の音楽〟とはまったく異質のモノがあります。手に汗握るその感覚がまた気持ちいいのです。

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手に汗握る、という意味では、秩父屋台囃子独特のインタープレイ的要素も、その醍醐味の一つです。

祭り囃子というのはたいてい循環構造、つまりエンドレスにリピートできるものになっていて、山車やお祭りの進行や状況にあわせて続けたり曲を替えたり、を繰り返して演奏する形態をとっています。

何度かこのブログでもご紹介しましたが、秩父屋台囃子は、他のお囃子と違い「決まった曲」がありません。他のお囃子はたいてい笛の曲が決まっていて、それにあわせて太鼓をアドリブで叩く、というスタイルです。

が、秩父屋台囃子は笛に決まりの曲はありません。
大太鼓の「手」(=パーツ)がいくつかあり、それを組み合わせた起承転結のだいだいの流れ(というよりイメージ)は存在しますが、大太鼓が即興でお囃子を主導し、笛・鉦がそれにからんでいく、というフリースタイル的要素の強いお囃子です。

いかに自分らしく崩すか、いかに人を裏切るか、そんなセンス勝負のジャジーなことを考えながら、一方で最高潮のシーンではただひたすら「大波」と呼ばれる8分の連打を全力で叩きまくる=気合いとパワーのないヤツはお呼びじゃない、という世界。

そしてそれを、一度身体に入るとやみつきになる独特の訛ったビートにのせて演奏するという、やってると血が騒いでどうしようもないお囃子です(笑)。

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お囃子の説明が長くなってしまいましたが、要するにトーキョー・ワッショイ!という企画の趣旨と雰囲気にじつにピッタリなお囃子だった、という話です(^_^;)。

僕は和太鼓もロックもレゲエも民謡も、自分の中では特別な区別はありません。好きで聴いてるし好きでやってるだけで、腰が動く血が騒ぐ、という点では何の違いも感じません。

なのですが、聴く方はどうしてもそこを区別・分類してとらえがちです。それ自体おかしなことではないですが、でも最初から「別モノ」ととらえる感覚と発想をいったん捨ててみよう、身体と脳ミソの反応するままに受け止めてみよう、というのがトーキョー・ワッショイ!の意味だと、僕なりに考えています。

果たして、その通りになりました。
他人に自慢できるようなお囃子ではないですが、それでもその楽しさをあの場のみなさんと共有できたことは、自分の思いが成就したような気がしてとてもありがたく思っています。

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そしてそして第2弾では、響&きんたの会で滋賀県の「水口囃子」を演奏させていただくことになりました。

秩父屋台囃子の丁々発止の駆け引きや力を振り絞っての爆音ビートと対照的に、いかにバンドアンサンブルとして「一つの音」に昇華させられるか・・水口囃子の醍醐味はそのあたりです。若輩ものではありますが、精一杯演奏させていただきます。

10月10日19時スタート、青山月見ル君想フにて、アラゲホンジ&OKI DUB AINU BANDという最強タッグとともにお待ちしております。DJは首謀者のひとり大石始さん! ローカルフーズや地酒でお迎えいたします。みんなでこのトーキョー・ワッショイ!という企画を盛り上げていければ嬉しいです。



乱文雑文失礼致しました。

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