2010/12/01

やつらの足音に耳を澄ませ!~blues.the-butcher-590213 presents "ROOTS"

それほど飲んでもいなかったのに、不覚にも涙してしまいました。

日本屈指のオーセンティック・ブルースバンド「blues.the-butcher-590213」の主催する「ROOTS」というライブイベントに行ってきました。その名の通り音楽的ルーツをテーマにそれぞれのミュージシャンがライブを行う、というものです。

端はムッシュかまやつ。エレキ1本のソロで「やつらの足音のバラード」を歌い始めました。アニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディング曲です。最初はただ「懐かしいなあ」と思って聴いていたのですが、そのうち歌詞が心に染みわたってきました。

♪何にもない 何にもない まったく何にもない
生まれた 生まれた 何が生まれた
星がひとつ 暗い宇宙に 生まれた

そう、ムッシュは地球の誕生にまで「ROOTS」をさかのぼっていったのです。
聴きながら、僕らの音楽が、たどりたどれば人間の歴史そして宇宙の歴史にルーツを持つんだ、という思いが、あの優しく懐かしいメロディーとともに広がっていきました。

家に帰ってから、改めてじっくり聴きました。
地球の誕生から、マンモスを追ってやってくる「やつら」(おそらく、大陸から地続きだった時代に獲物を追ってやってきた原初の日本人のルーツをイメージしているのだと思います)まで、しみじみと絵が浮かびます。
作詞は漫画原作者の園山俊二氏ですが、自然と人間の歴史に対するふかーい敬愛があったのだと、初めて気づかされました。印象的な歌詞と柔らかいメロディーで子どもの頃から好きだった曲ですが、大好きになりました。


さて、そんな感じで1曲目からいきなり心臓をアイアンクローされたライブは、休憩込みの5時間弱!という超長丁場にも関わらず、最後までアドレナリン全開で楽しめました。

blue.the-butcher-590213は、「ブッチャー」というニックネームを持ち、最も多くのギタリストに愛されながら3年前に若くして世を去ったギタリスト、浅野祥之氏の死をきっかけに結成されたブルースバンドです。
僕は、沼澤尚がドラムを担当するJ&Bというバンドで彼を知りました。J&Bのライブはいつもチケット争奪戦で、まだかまだかと次のライブを待っていたときに、浅野氏が肺炎の悪化で亡くなったという訃報を聞いて、ただただあの音楽が聴けなくなる寂しさを募らせたものでした。


この日のライブアクトは、他にLeyonaIll(DJで参加)、田中和将(Grapevine)、奥田民生の4人。
トリを「blues.the-butcher with 奥田民生」で務めた後、全員のSpecial Sessionで幕を閉じました。

ちなみに舞台は横浜。日本の「西洋化」(という言い方は少々乱暴ですが)の玄関口となった地です。この異国情緒も、海の向こうのルーツを感じさせるものでした。
ついでに中華街で大陸系?ルーツの味も堪能しました(^_^)v
(2010.11.28 横浜Bay Hall)





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